• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第131章 余裕な彼と精一杯の私



__________"


12:30


その後私はドキドキのし過ぎで船内を散策した記憶があまり無い

只彼が隣にいるという事実ばかりを意識してしまい気が付けばシアタールームに入室する時間と成っていた



私はここは定番とばかりにバケツみたいなポップコーンを抱えて彼の隣に腰掛ける

フカフカの椅子と映画館特有の雰囲気

次々に埋まる座席と薄暗い室内をワクワクしながら眺めていると



「まさか一人で食べないよね。」



なんて無表情に言いながらも我が物顔でポップコーンを頬張る彼

全然二人で食べる気だったので良いのだが私の名誉の為にも


「イルミさんと二人で食べる気満々でした!」


と事実を伝えておいた


途端に無機質に短い返事を返す彼が何を思っているかはさっぱりわからないが……

バケツ一杯のポップコーンをがつがつ貪る女だと思われなくて良かった

逆に彼の中の私像がそういう人物だと思われていると思えばかなり複雑だが阻止出来たので結果良い




なんて考えている内に照明が落ちて大きなスクリーンが眩しく映像を浮かべる


私達は静かにポップコーンを口に運びながら二時間の映像を楽しんで…………


シアタールームから出た私はぎこちない歩みで彼の隣を歩いている



……………と言うのも…………


シアタールームで上映された映像はラブシーン豊富な大人向け恋愛映画だった

船内シアターはランダムで上映される上に18歳以下は立ち入り禁止との案内を思い出す


内容はとても素晴らしいものだったのだが………

過激なベッドシーンや危険な香りの恋の駆け引きに私はどぎまぎしてしまい一体どんな顔で見れば良いのか途中から全くわからなく成っていて

上映中チラリと彼を盗み見たが彼は無表情なまま淡白な瞳を向けているだけだった


映画館を出たらテラススペースなんかで優雅に映画の話をしようなんて想像していた私のプランはガタガタで

私達は会話も無いままに道なりを歩いている




…………非常に気まずい…………



……なんて肌を重ねておいて、更には妻になっておいて何だが


想い慕う気持ちはピュアッピュアの乙女であり

初めの頃と変わり無い……いや、初めの頃よりも強く成っているのだから勘弁してもらいたい


今の私はプ○キュアよりピュアなのだ




/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp