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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第131章 余裕な彼と精一杯の私






もしかしたらやり過ぎた…………?




なんて不安が過ったのは束の間の事で



「可愛いじゃん、似合ってるよ。」



彼は単調に言葉を漏らした





……………………………………………?




私は一瞬何を言われたのか理解出来ず脳内エコーの掛かった言葉を繰り返し繰り返し噛み砕いて漸く頭が沸騰しそうに熱く成った



彼は簡単に"可愛い""綺麗"なんて言ってくれない筈なのに……………



私は今彼に可愛いと言われた……………


「可愛い」と言われた……………




可愛い…………と……………言われたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………ッッ!!!!!!!



私は天に召される気分だった


……いや、正確には半分天に召されていた………



それくらい彼の台詞には破壊力があり



「上映時間に間に合わなくなる。」


なんてふいと背中を向けた彼は照れているのか少し早口でまだまだ先の上映を気にしているふりをして



「ま、待ってください!」



慌てて彼の背中を追い掛けながらも雲の上を走る様にフワフワとした気分の私は最高に幸せな気分だ


チラリと様子を伺う視線に満面の笑みを向ければ溜息を付く彼


………照れていると言うより思わずうっかり口にしたと言った方が近いのだろうけど


うっかりという事は内心思っていたという事で間違いないし私にしてみればどちらでも嬉しい



(そんなやれやれ感出しても私にはわかってるよイルミさんっ……可愛いって思ってくれたんでしょ?)


なんて口にしたら嫌な顔をされるかスルーされるに違い無いので思い切って緩く揺れる大きな手をぎゅっと握った


自分から彼に触れる


彼の手を自ら握るだなんて私にしてみれば大胆な行動


だけどその勇気を彼から貰った



顔を上げられずに足元に落としたままの視線


生きているのも不思議な程美しい彼の体温を教える大きな手は私を包み込む様に優しく握り返してくれた



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