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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第23章 彼の世界の彼








一階迄伸びる螺旋階段をバタバタ音を立てて曲がった先で革靴の音が立ち止まった


バクバクと煩い心臓は破裂しそうに高鳴り


私は息を忘れて立ち尽くした


「………っ……」




螺旋階段下から現れた姿

悠々とサングラスを取り払った彼は大きな瞳で真っ直ぐに私を見上げていて見詰め合った数秒を永遠の様に感じた





私は思い切りその場から彼の胸へ飛んだ




しっかりと抱き止めてくれた彼の身体に顔を埋める
大好きな香りが鼻を擽り頬を流れる髪の感覚に只喜びが込み上げてぎゅっと腕を回す



「………抱き止めなかったらどうしてたの。」



クスリと笑った彼の単調な声が耳元に響く


ずっとずっとずっと聞きたかった


身が裂けそうな程会いたかった




「イルミさんは落としたりしないでしょ?」



自身の声はそれはそれは幸せそうに弾み

彼は軽々私を抱き上げたまま部屋迄運んでくれた



後ろ手でバタンと扉が閉じられて私が先程迄眠っていたベッドに降ろされる

まだ彼の温もりを感じていたいが彼の顔を見たいと思った


私をベッドに降ろした後壁に寄り掛かった彼は真っ直ぐに私を見下ろした


長い睫毛が伏せられて其の瞳に影を作り吸い込まれそうな錯覚に陥る




「……少し痩せたね。」



「………イルミさんは変わりませんね」


「……髪も伸びたね。」


胸元迄伸びた髪に視線が落ちて擽ったい


「変ですか……?」


おずおずと顔色を伺えば


「似合ってる。」


緩んだ表情が愛しくて想いが溢れては止めどなく




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