第23章 彼の世界の彼

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「イルミ、到着したみたいだよ♣️」



…………イルミ…………イルミ＝ゾルディック！！！！！！！！




という言葉だけが頭に響いて飛び起きる

窓枠に腰掛けたヒソカさんの笑顔に挨拶も忘れてベッドから飛び出し窓に張り付いた


見下ろした視線の先黒塗りの車の後部座席の扉が開き

私がずっと待ち焦がれていた人物は朝日を浴びて立っていた

黒いスーツを身に纏いサングラスで印象的な瞳を隠した姿
其の佇まいは変わらず凛と冷たさを纏っていて
鬱陶しそうに絹糸の様な長い黒髪をかき上げる仕草に私は見惚れて動けずにいた

長い脚で一歩一歩進んだ彼はホテルの影へ消える





…………………会える…………


…………夢にまで見た彼が目前にいる……………






気が付けば私は部屋を飛び出していた

再会の格好だって考えていたのに部屋着のまま寝癖の付いた髪を揺らして形振り構わず彼の元へ急いだ


妙に長く感じる廊下で転げかかって体勢を持ち直し直ぐ様走る


………ずっとずっと会いたかった


………だから会いに来た