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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第130章 スポーツの船




__________"




私は早々にテニスやバスケットボールの類いを諦めた


彼と私の身体能力の違いは良く理解しているしそもそもゲーム的に彼に勝てるとは思っていなかった

ただ、キャッキャ言いながらテニスなんて楽しいだろうと思っての事だったのだが

結果は私の命を脅かす根性試し的な全く違うゲーム性を発揮するばかりでまともに続ける事等不可能だった……



日常生活を難なくこなす彼の姿にすっかり油断していたが今後は彼の事を猛獣だと思う事にして全ての対戦ゲームを諦める事にする




………そう…………彼は黒豹だ…………


普段はとても静かで穏やかで私に気を許してくれている………

しかしじゃれ付かれては一貫の終わり……ッ

彼はちょっとした遊びのつもりでもその牙や爪で私の命の灯火は簡単に消えてしまう………

現に世界ではそういう動物事故が頻繁に起きているではないか



私はそう妄想する事でバスケットにキャッキャと騒ぐカップルへの羨望を消した


彼は黒豹なのだから仕方がない



「バスケする?」


「しません」



黒豹とスポーツを楽しもうなんて私には早すぎる目標だ


彼と只テニスを楽しむという事がどれだけ無謀で危険な事なのかを改めて確認した私は一つ賢く成った


バスケやテニスなんてスポーツという名目の付いた自殺行為



「イルミさんは黒豹やからゲームはしません」


「は?」




そんな訳で次に私が選んだアクティビティは自分の身を守る為に互いに向き合うスポーツでは無いもの……


………ボルダリング……!


これなら彼がいかに怪力であろうと私や他の人々に被害は出ないと踏んだ


室内でロッククライミングさながらの体験が出来るとの事でやって来たエリアは意外にも若い女性達で賑わっていた

活気ある雰囲気や遥か高い壁の上にいる人々を見上げてワクワクと弾む胸

空間のカラフルな色合いやフカフカの床から危険な雰囲気は一切無いのも私を安心させる要素だった


8人程のグループで説明を受けて簡単な講習をクリアすれば各々好きな所に挑戦して良いシステムらしく

私はその中でも先ずは初心者用の比較的低いボルダリングに挑戦する事にした




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