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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第129章 新妻の意識






「無用心にも程がある。俺も沙夜子も危険な立場なんだよ?近付く奴は疑うのが鉄則、じゃないと殺られる。」


「っ………すみませ「まぁ針をちらつかせても相手に揺らぎなかったし念能力者の可能性は薄いけど警戒対象には変わり無い。決して一人で接触するな。」


「……はい」



すっと姿勢を正した彼は大きな瞳で辺りを見渡していてその表情は暫くすると僅かに警戒を解いた様に緩んだ


「ま、今後の行動次第で沙夜子は自分の首を絞める事になるからせいぜい気を付けなよ。」


「………はい」



ただ気乗りせず不機嫌なのだと思っていた私だったが

………彼の言葉を理解する頃、自分の迂闊さには本当に反省点しか無かった


私は呑気に生きてきたけれど一度は命を狙われた事でその恐怖が以前よりずっと身近に成っていて

久々に同年代の同性と話す事で浮かれた気持ちもすっかり小さく成っていた


何が命取りになるのかわからない……

私の迂闊さで彼すらも危険に晒してしまうかもしれない………


彼の言葉を繰り返し頭に叩き入れた私はベラベラと自分の事を話す事すら恐ろしく唇を閉ざしていたのだが




「…………以前みたいなケースは稀だからそんな顔はしなくて良いけど。」


彼は心底不本意そうながら優しくフォローをくれて



柔らかく私の手を引きダンスフロアへと誘うと



「そんな事より………俺と踊ってくれる?」



まるで王子様みたいに見目麗しく着飾った彼が私だけを真っ直ぐ視界に捉えて

いつかの様に片膝を付いて私の手に口付けを落とすものだから私は真っ赤な顔で頷いたのだった







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