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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第129章 新妻の意識






……………………私には不釣り合いにも程があるなんて散々実感して来た事で……何を今更なんて思うかもしれないが


私は今新婚旅行に来ていて麗しの彼を独占している………

更にはこれからも隣にいる権利を与えられたのだと思えば身に余る様な膨大な幸せに怖じ気付く気持ちが芽生えたのだ



……………何故彼は私を選んでくれたのだろう……………?


無知で無力な異世界人なんてお荷物で厄介でしかない筈で………

特殊な仕事をこなしながらゾルディックに私を隠し続けるなんてそんな事本当にずっと続ける事が出来るだろうか


世界に阻まれる事だって一秒ごと私達の未来を蝕んでいて何もかもが曖昧なのに


彼は本当に私で後悔しないのだろうか………………?


どうしてそんな事を思っているのか私にもわからない


だけど、全てが漠然と不安で怖くなった




コースの前菜が運ばれて来て何か言いかけた彼の唇が閉じたと同時に海へと視線を逃がす


深々と頭を下げて去って行くウェイターが再び私達を二人にして



「何考えてるの?」



彼の低い声が波音に混ざった



俯いたままで彼の方へ姿勢を正せば鋭く刺さる視線


彼はきっと私の思考を読み解く様な黒い瞳で私を見据えているのだろう


唐突に込み上げた強い不安に私自身すら付いて行けていない今
何を話すべきなのか戸惑い言葉は何も出て来ない



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