• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第129章 新妻の意識



_________"


18:30


予定外にシガールームに立ち寄った事で思いの外時間が掛かりショッピングエリアを回らずに部屋に戻った私達は装いを新たにレストランにやって来ていた


赤ワインの色をしたドレスに黒いピンヒールは彼が用意した物で
控え目ながら露出した胸元や肩を隠す様に添えられていたストーブボレロもシックで上質な肌触り

私自身では決して選ばない大人びた雰囲気を作ってくれた

ドレスに合わせてセットした夜会巻きで耳に光る小振りで品のあるダイヤモンドが揺れて見えて
何やら今夜の私は私らしいと言うよりも少しセクシー路線なのは頭の先から足の爪先迄彼の趣味だからだろう


美しく着飾れば踊る胸は女性なら誰しもがそうであり、そんな私の手を引く彼が完璧にエスコートしてくれるものだから夢見心地で席に付いた


広々と賑わうシャンデリアの広間を抜けて私達が通された特別優待席は静かなバルコニーの席だった


真っ白なテーブルクロスが薄く水平線に消え行く夕陽を反射して眩しく
テーブル中央に飾られた鮮やかな花すらもセピア色に染める中

運ばれて来た食前酒を静かに傾けた彼の姿に見惚れる



ドレスの雰囲気と合わされた黒のタキシードとグレーストライプのベストから覗く白いシャツはしっかりと閉じられダークグレーのネクタイがきっちりと締められているのだが………

凛とした上品さに何故か交ざって漂う妖しい色気にクラクラと目眩がした

艶やかな黒髪がしっかりと纏められている事ではっきりと輪郭を見せる中性的な顔

音も立てずにテーブルに戻ったグラスに目を落とせば何気無い所作の端々から漂う品の良い指先に遅れた様に緊張が込み上げた



今更テーブルマナーは大丈夫だろうかとか変な動きをしていないかなんて事が気になって




「沙夜子」



彼の声を辿り視線を合わせた途端に私は何故か逃げ出したい気持ちに成っていた




/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp