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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第129章 新妻の意識







暫く紳士淑女の視線を一身に浴びながら咳き込み続けた私が涙目で顔を上げると彼はいつの間にか持っていたペットボトルの水を私に手渡し


「満足したでしょ。」


まるで結末がわかり切っていたかの様に言った



………満足も満足だ………



今以上咳き込めば迷惑行為だと部屋を追い出されかねないし

何より私自身葉巻を求めていなかった

ゴクゴクと水を一気に飲み干した私が頷けば彼は気だるげに葉巻を灰皿に放置したままソファーから立ち上がる

どうやらシガールームを出ようとしているらしい




「……え、イルミさん……これ消さないと……」


「葉巻は吹かして無いと火が消えるからそのままで良いんだよ。」


「………そうなんや」



艶のある長髪を靡かせて背中を向けた彼の後を追いながら振り向いた先

私と彼が一口ずつ吸った葉巻は薄く一筋煙を揺らしていて

私の葉巻初体験は苦い咳と彼の教養だけを思い出として残した




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