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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第129章 新妻の意識






5種類程の軽食の中からサンドイッチを選んだ私達は本当にゆったりとした時の中食事を楽しみ、私は肌触りの良いベッドへ寝そべっていた

近頃昼間とも成れば随分と暖かく成った気候は春の気配に包まれている

爽やかな風が心地好く頬を撫でてポカポカと注ぐ太陽に思わず噛み殺した欠伸を彼は流し目で見ていて


「少し眠る?」


髪をかき上げながら様子を伺う彼に首を振る


春の陽気は心地好いけれど昼寝をする程私の胸は落ち着いていなかった

寧ろまだ動き回っていたいし、今なら空を飛べそうなくらいにワクワクしている

上体を起こして思い切り伸びをして


「またその内お昼寝に来たいです!」


言った私の言葉に彼は無表情に「解った。」と呟きを落とした後私が立ち上がる迄静かに待ってくれていた




今日の彼は一段と優しい


醸し出す雰囲気は変わらず凛と冷たさを含んでいるけれど心無し穏やかで
私の見たい場所や行きたい場所全てに付き合ってくれる気なのでは……なんて思う

彼は目的を達成すると直ぐにその場から立ち去るタイプの人だが今の場合いつもなら"遅い、置いて行く"なんて急かす場面でも何も言わず待ってくれているのだ

実際彼が私を置いて行った事は無いけれど本当に急かす素振りすら無く

性分を抑えて私を優先してくれているのだと思えば胸がキュンとしてニヤニヤと緩む頬


………今日の彼は甘やかしモードだ……!!!


なんて自惚れていたのも束の間





「うふふふふふっひひ………」


「その気持ち悪い笑い方ってどうにもならないんだね。」


「……………」



彼の辛辣な物言いは全く普段と変わり無く私の心臓をえぐった





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