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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第129章 新妻の意識







先ず船内アクアリウムを回った私達

薄暗い空間に鮮やかな間接照明

見せ方に嗜好が凝らされた水槽が美しく配置された場所は魚を見ると言うよりもまるで芸術展覧会で
神秘的な雰囲気に魅了された私は沢山の写真を撮った

そんな私を横目に静かに観賞する彼はミステリアスなクールビューティーで彼の写真も滅茶苦茶撮ったのだが

彼は露骨に怪訝な表情を浮かべて「撮るの間違えてるよ。」なんて呆れ声で言った



そして次いでやって来たスカイデッキは最上階の野外デッキで床には芝生が植えられフカフカのベッドがズラリと並んでいる開放的な空間だった

日除け屋根の下淡い太陽の光に照らされた其所に海の雄大な波音が静かに響き、何とも癒される場所だと思う

パンフレットには大人のリラックス空間なんて書いていたけれど本当に文章そのままの印象を受けていた


しかし私は全く疲れていない寧ろテンションは上がる一方で、優雅な休憩スペースにて何をしようか……なんて考えているとスタスタとベッドへ向かった彼はちょこんと腰掛けると私に手招きをした


二人寝転んでも余裕のありそうな大きなベッドに並んで座れば彼は緩く開いた瞳でぼんやり日除けを眺めながら言を紡ぐ


「ここでは軽食が食べられたりマッサージを受ける事が出来るらしいよ。……因みにVIP客以外立ち入り禁止だし子供も立ち入れないから他のエリアよりゆっくり出来るかも。」


彼はやはり生真面目で船内案内で知ったと言うよりは前情報として頭に施設の詳細が入っている様だ

この日の為だけに彼が記憶した仕事にも何にも関係の無い情報に自然と頬が緩んで


「へー!……じゃあ折角やから何か食べましょう」


「そうだね、ディナーまで時間あるし」


弾んだ私の提案に彼は間の抜けた声で賛成してくれた




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