第128章 仕返しと浮かれた船

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港へ向かう車内で何故出発が繰り上がったのかを彼は淡々と説明した


「沙夜子があんまり浮かれてるから今日1日余分に過ごすよりは良いかと思って。」


彼の説明は要するに今日付けで船はパドキアに停泊しているが彼の几帳面な性格から準備期間に猶予を取っていた

しかしながら私のはしゃぎぶりを何日も見ていて準備も完了している様子から別に前乗りしても差し支え無いと判断し、急遽予約を早めたらしい

やはり彼には驚かされてばかりだが何とも優しい心遣い


本当は普通に教えて欲しかったけれど嬉しいサプライズに違いなく私の胸はワクワクと弾んでいた



私達の新婚旅行が始まる……！！



ぐんぐん進んだ車窓から見えた大きな船にドキドキと高鳴る心臓



「あれ！あれですよね！」


「うん。」


ビルがそのまま船に成った様な巨大な船は何度もネットで眺めた物よりも遥かに立派で大きく見えた



「うあー！凄い！凄いですねイルミさん！！」


「まぁ、今日は出発しないけど船内を見て回る事は出来るよ。」


「水族館見に行かないとですね！あとオペラと映画と……いっぱい！」


「興奮し過ぎて熱とか出さないでね。」


なんて釘を刺しながらも穏やかな表情の彼はスマートに車を停車させると助手席に周り込んで扉を開いた