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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第127章 他愛ないヒトコマ


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その後散々私をからかった彼はどこか満足気に読書の続きを始めて

一方私は一気に焦るやら何やらですっかり疲れてしまって少し眠っていたのだが




「沙夜子、起きて。」



単調な声に揺り起こされてぼんやりと瞼を開く



「ん……おはようございます」


ゆるゆると上体を起こすとベッドの端に腰掛けて半身振り返っていた彼は間の抜けた声を響かせた



「お腹空いた。」


「……あ、直ぐに準備しますね」


「うん。」



胸がキュンと高鳴って頬が緩む

昨日はルームサービスで食事を取った私達

私の体調が優れなかった事もあり流れでそう成ったのだが彼はどうやら私の手料理を待っているらしい

ベッドに腰掛けたまま背中を向ける彼が「沙夜子の手料理を食べたい」なんて素直な事は言ってくれないけれど

眠っている私を起こして空腹を訴える彼はまるで幼い子供の様で普段とのギャップに愛しさが込み上げる


ニヤニヤと緩む頬をそのままに俄然やる気に成った私は意気揚々とキッチンに立った


彼が私の手料理を待っている!


只それだけでキュンとして活力に溢れる私は解りやすく単純だが、私をたったの一言でやる気満々にさせてしまう彼は凄い


広々とした大理石のキッチン

冷蔵庫を開けば彼が注文してくれたのであろう食材がきっしり詰まっていて


「何食べたいですか?」


弾んだ私の声に


「ハンバーグ」


なんて言われてしまえば彼の可愛さが炸裂して私は遂に気持ち悪い笑い声を漏らした



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