ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第127章 他愛ないヒトコマ
其処には多分、独占欲やその他の感情も混ざっているのだろうけど
そもそも嫉妬心なんて無いと言い切る彼に自覚があるとは思えない
つまり彼は故意に私を余韻に浸らせるべく歯形を付けているのだ…………
驚愕の事実に固まったままの私に彼の無表情はいたずらな色を含む
「効果は絶大みたいだしこれからも覚悟してなよ。」
「………っ………」
「単純に噛むと気持ちいいし……良いよね?」
なんて意地悪に歪んだ形の良い唇は訊ねている様でいて有無を言わせない声で言った
効果は絶大………
私の全ては既に彼に見透かされ、無機質な瞳の奥で静かに観察されていたなんて……
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……………ッ
そんなのあまりにも恥ずかし過ぎる……ッ
羞恥のキャパを超えて今にも爆発しそうな私の隣でクスリと妖艶な笑みを浮かべた彼は私の首筋に残る歯形をしなやかな指先でなぞると
「ねぇ、何度思い出した?」
なんて意地悪な質問をするものだから私は汗をダラダラと流しながら懸命に首を振りまくったのだった
………………彼は間違い無くドSである………