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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第126章 彼と彼女が取り戻した日常






薄く開いた瞼から見えた彼は無機質な瞳とはかけ離れた妖艶さを孕ませていた

何度も何度も角度を変えては淫靡な水音を鳴らした唇は私の息苦しさと同時に離れ、慈しむ様な優しいキスが降る

唇に頬に額に髪、彼は先程迄の激しさを押し殺す様に熱を帯ながらも繊細な口付けを繰り返した


「……沙夜子」


ただ彼に求められていると実感させてくれる声に身体は火照り

ガウンの胸元を開かれた事によって外気に触れた肌を彼の長い指先がなぞる

耳たぶを甘く噛んだ後首筋にしっとり這わされた舌の感覚にビクリと身体を震わせながらも彼の体温を感じる事に幸福が沸き上がっていた

焦らす様にブラのレースをなぞる指先

時折強く吸い付かれてはチクリと咲く独占の色は胸元迄広がり


途端に緩く谷間に歯を立てた彼に小さな悲鳴が漏れる



「んっイ………ルミ………さっ」



徐々に強まる顎の力に強い痛み


涙が溢れそうに成ったその時



ぐんと身体に落ちた重みとピタリと止んだ彼の動き

そして規則正しい静かな呼吸




私は暫くポカンとした後に彼の表情を隠す黒髪を避けて何故か泣きそうなくらいの愛しさに胸が締め付けられていた


長い睫毛が伏せられて緩く開いた唇は普段の彼より随分とあどけない顔を見せ

無防備に力を無くした身体は私に覆い被さったまま熟睡していたのだ


余程お疲れだったのだろう彼を眺めて艶やかな毛先を遊ばせながら呟いた私に



「おやすみなさいイルミさん……大好きです」



「………ぅん……」



彼は穏やかな寝顔を浮かべたまま短い寝言を漏らしたのだった














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