• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第126章 彼と彼女が取り戻した日常




__________"



3月12日




海風に流れる長い髪は太陽光に照らされて黒々と靡く


楽しい思い出を残した無人島は気が付く頃には遠く見えなく成っていた



私は散々泣いた後彼に会えた喜びでメーターを振り切り馬鹿みたいなハイテンションで喋り続けている



「洞窟温泉があるんですよ!めっちゃ綺麗で滝もあって!天然かけ流し!」


「…………あっそ。」


「それから海が綺麗で!ブルーフラッシュってのが見れるんですよ!」


「………………。」



「なんと!恋人の伝説がありましてね、めっちゃ綺麗なんです!夕陽やのに青い光で………」


そこまで言い掛けて彼の相槌が無い事に気が付きチラリと盗み見た先

彼が固く唇を閉ざしたままとんでも無い不機嫌オーラを放っている事に気が付いた


思わずゴクリと唾を飲み込み、やってしまったと思う………




………………彼が不在中の出来事は必然的にヒソカさんとの思い出だ

彼は歪な独占欲を持っている

つまり、私は堂々と彼の地雷を踏み抜いていた事に成る…………

私がどれだけ浮かれ気分でお喋りしても彼にとっては不愉快でしかないのだ


タラリと垂れた冷や汗


彼は眉間にシワを寄せて腕組みしたまま鋭い視線を私に向けた


まるで「それ以上喋るな」とでも言いた気に放たれる無言の圧力にビリビリと肌が震えて私は解りやすく目線を外した



………あれ以上見詰め合っていたら目力だけで殺されてしまいそうだ………なんて言えないけれど



落とした視線の先、足元に転がっていた操り人形と目が合う


…………何とか雰囲気を和らげたい………

私はその一心で操り人形を手に取った



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp