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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第126章 彼と彼女が取り戻した日常






尚も早口に紡がれる声




『……端的に言えばヒソカに沙夜子が拉致された。厄介なのはウチが絡んでる事……兎に角帰国しないと埒が空かないんだよ。』



「成る程……了解」




悪い仕事じゃない、寧ろ儲け過ぎる程だった事
そして暇だったという理由で俺は小国へと降り立った





戦禍に飲まれた国は火薬と死臭、鉄の焼ける匂いに包まれる中

返り血に濡れた男は静かに俺を待っていた



覚醒した様に開かれた暗殺者の瞳、汚れた身体をそのままに男は淡々と仕事内容を説明する

長い黒髪に染み付いた血の匂い




「………お前最後いつ寝たよ」


「さぁ、忘れた。」




殺意に満ちた虚ろな瞳に俺の到着迄不眠不休であったのだろうと察する

でなければ其れほど残忍な悪臭を漂わせられる筈が無い


全ての説明を終えた男は最後に刺す様な鋭い視線を向けると



「ヒソカの居場所に心当たりは。」



有無を言わせぬ声色を漏らした



「いや、知らない」



知らないし興味も無い


そんな俺に露骨に苛立った表情を浮かべた男に内心失礼な奴だと思いながらも



「………後は宜しく。」


「あぁ」



何も言わずに見送った



彼女に何があろうと関係は無いしどうでも良いのだが

人間こうも変わるものなのかと感心する他無かった

男はこれから宛てもなく彼女を探すのだろう


……全くご苦労様な事だ………





「…………て言うか9割以上片付いてんじゃん、ラッキー」






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