• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第125章 ハートのクイーン






ダイニングテーブルには出来立ての目にも美しい朝食


「いただきます!」


「はい、どうぞ♥️」


ニッコリ笑顔のヒソカさんと私はその後他愛ないお喋りを楽しみながら朝食を平らげて



「ヒソカさんのお料理はほんまにプロですね!」


「んふふ、昔シェフになりたかったからね♥️」


「え!!そうやったんですか!意外!!」


「嘘♥️」


「えっ……なんですかその嘘!」




満腹のお腹を擦りながらヘラヘラと笑っていると






「沙夜子、もうじきお迎えが来るよ」


ヒソカさんは普段より低い声で静かに言った



「え…………イルミさんお仕事終わったんですか……?」


「うん♦️」



ドキドキと高鳴り始める胸、何度も繰り返し言葉の意味を噛み砕きながら只見詰め合う数秒


身体中から溢れ始める喜びと愛しさに泣き出してしまいそうに成った



…………………彼に会える………………






「ほら、ボクは洗い物を片付けちゃうから沙夜子は出発の準備をしないとね♠️」


「う、あ……はい!そうですね!!」



私の足取りは背中に羽が生えた様に軽かった


すっかり馴染んだ荷物をかき集めて再会の前にメイクもしなければ……なんて浮かれる心

嬉々として洗面台に立ってメイクをするのは何日ぶりだろう

ソワソワと落ち着かない気持ちを抱えながらも入念にメイクをして
寝間着姿で会う訳には行かないと持って来た洋服の中から綺麗目な物を身に付けた


洗面所の扉を勢い良く開いて弾む声を響かせる



「ヒソカさん!私変じゃないでしょうか?!」



しかし私の声に返事は無かった



「…………え………?」


小ぢんまりとした一室だけの隠れ家

部屋を見渡せば全てが見えるその場所にヒソカさんの姿は無かった


「ヒソカさん………?」


しんと静かな室内に私の声がやけに響いて全くの気配が無い事に困惑する



つい先程迄クスクスと笑っていた人物がまるで幻の様に消えたのだ

全く今の現状が把握出来ずに呆然と辺りを見渡すがヒソカさんの姿は影も形も無かった



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp