ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第125章 ハートのクイーン
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翌朝
緩やかに浮上した意識で瞼を開いて頭が疑問符で一杯に成った
小ぢんまりとした部屋を見渡せばキッチンからは調理の音
………………私は確か……………………
「おはようございます!」
「おはよう沙夜子♥️」
「あの……昨日私寝た時の記憶が無いんですよ……確か催眠術しましたよね?あれも全然覚えてなくて………」
鮮やかな手捌きで野菜を刻むヒソカさんに私はおずおずと言葉を紡いだ
………本気で記憶が飛んでいる………
無い頭をフル回転させてみても何も思い出せず背中を伝う嫌な汗
昨夜はお酒を飲んでいた
しかし記憶が飛ぶ程では全然無かった筈だが……もしかしたら滅茶苦茶ご迷惑を掛けたのでは………?なんて疑惑が浮上する
私は絡み酒タイプだし優しいヒソカさんをドン引きさせる様なウザイ絡み方をしたかもしれない……
最悪の事態を考えながらも重々しく開いた唇
「私………あの……ほんますみませ「沙夜子ったら催眠術に掛かる前に寝ちゃうからびっくりしちゃったよ♥️」
私の謝罪は途中で遮られニッコリ笑顔のヒソカさんは調理を続けたまま少し拗ねたみたいに言った
「え?!私あのまま寝たんですか?!」
「そうだよ、ボク渾身のマジックだったのに♠️」
「えっ……ごめんなさい………!!」
「なんて……冗談だよ♥️ほら出来上がり、テーブルについて♥️」
ガバリと頭を下げた私の隣を通り過ぎながらクスリと笑ったヒソカさんは余裕を湛えて悪戯な笑顔を見せた
あのまま寝てしまうなんて私は赤ん坊か何かだろうか
………………ヒソカさんが渾身と言う程の凄い催眠術に掛からなかったのも失礼だが、ウザイ絡み方をしていなくて良かったと本当に思う