第22章 奇術師と夜

その後直ぐにシャワールームへ消えたヒソカさんに一番風呂のお礼を伝え

空間に独りだという事を良い事にベッドに添えられたクッションをぎゅっと抱き締めてゴロゴロ転がったりしてずっと笑っていた





「ご飯も寝床も………ほんまに色々ありがとうございます！！！」


シャワーから上がったヒソカさんはガウンを羽織り何時もは完璧にセットしている髪を拭いながら素顔で現れた

その美形具合は他のイケメンも恐れ戦くレベルだ


…………イルミさんには敵わないが



入浴したのだから素顔で当然なのだが元気にお礼を伝えた筈がその妖艶さにドキドキしてしまった



「まだ飲めるだろ？♥️」


なんて言いながら垂れた前髪をかき上げた事で切れ長の瞳がはっきりと輪郭を表す


「………はい」


私の想いは誓ってもイルミさんへ向いているし猪突猛進レベルなのだが魅力的な男性のセクシーな姿に自然と身体が体温を上がる


……………妙に緊張する…………


こんな時はアルコールの力を借りた方が気が楽に成るし
何より彼との再会が楽しみで楽しみ過ぎて単純に嬉しいというのもある



２つグラスを持って来たヒソカさんが隣のソファーへ腰掛けてスプリングが沈む音にドキドキする自分が何だか嫌に成った



「変な事しないでくださいね！！」



緊張する雰囲気を払拭する為に張り上げた声は少し裏返った