ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第123章 湯煙とおとぎの世界
二つ返事で夜の浜辺に出た私達
相変わらずガウン姿のヒソカさんと共に昼間と違う顔を見せる海風に当たる
心地好い波の音を聞きながらも広がる黒は少し不気味に見えた
「夜の海ってやっぱりちょっと怖いですね」
「どうして?♥️」
何処まで続くのかわからない広さと吸い込まれそうに底の見えない黒
私はいつか彼と見た夜の海を思い出していた
彼がいれば何も怖くない気がして足を浸けて遊んだあの日
けれど隣に彼が居ない今、同じ事を出来る気がしなかった
只立ち尽くして怯える
そんな私の腰をサラリと抱き寄せたヒソカさんはそのまま海へ近寄り始めた
「え、怖いです!やめてください!」
全く意図がわからずにヒソカさんを見上げて拒否を示すもいつもの笑顔を浮かべたまま何も言わない姿に不安が浮かぶ
「ヒソカさん?何、怖いんですけど!」
もう少しで波打ち際
少し濡れた砂浜で立ち止まったヒソカさんは突然
「足元を見てごらん♥️」
と私を促した
訳もわからず言われるままに視線を落とした先、私達の足元は足の形を型どる様に光り輝いていたのだ
「えっ!……え?!」
後ろを振り返れば一歩前の足跡もくっきり七色に光っていて只驚愕していると