• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第122章 マリオネットの気持ち





食べる事もやっとのその日暮らし

男の子は考えて考えて魚屋さんから魚を盗む猫の姿を思い出しました



『…………………そうだ……盗んでしまえば良いんだ……』



男の子はその日初めてピカピカのオモチャを手にしました

楽しくて嬉しくてお腹が空いている事も忘れるくらい


男の子は思いました、欲しい物をただ眺めているくらいなら誰かから盗ってしまえば良いのだと



そう思ってしまえば新しいオモチャにもすぐに飽きてしまいました


だけど大丈夫、また盗ってくれば良いのだから………




それから男の子は次々とオモチャを自分の物にしました


飽きては新しい物を沢山集めました

何でも盗ってしまえば良いのだからお腹を空かせる事も無くなりました




男の子はとても幸せでした




……………そんなある日男の子の所によく知っているオジサンがやって来ました

そのオジサンはオモチャ屋さんの人でした



『…………よくも盗んでくれたな』



男の子は必死に抵抗しましたが一向に敵いません


沢山沢山殴られて沢山沢山蹴られました

口一杯の鉄の味、息も出来ません


男の子が動けなくなった頃オジサンは言いました


『こんなにぼろぼろにしやがって、売り物になりもしない』


オジサンはそう言うと男の子が集めたオモチャを全部壊してしまいました


男の子は泣きました


ピカピカのオモチャが全部無くなってしまったからではありませんでした


オジサンが壊した全部の中に男の子がもっと小さい時から大切にしていたオモチャがあったからでした

ずっとずっと遊んでいた大切な宝物はぐちゃぐちゃに潰されて無くなってしまったのです



男の子は思いました


誰かに奪われるのはもう嫌だ






「誰かに壊される前に、壊されてしまう前に自分で壊してしまおうと…………おしまい♥️」




/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp