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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第121章 熱い唇と彼の姿








「イルミさんって帰って来てますか?」





何故かやけに響いた私の声




「まだだけど……どうして?♦️」




ヒソカさんは少し困った様な笑顔を浮かべた








…………………やはりあれは夢だったのだ……………



起床した時点で部屋の中に彼の姿が見えないのだから夢だろうとは薄々思っていた




熱に苦しむ私の傍に座った彼の姿

長く艶やかな黒髪、伏し目がちに私を見下ろした大きな瞳

待ち続けている大好きな彼の姿

まるであの場に本当に存在していたかの様に鮮明に見えたのに…………


自身の息苦しさまでも全てが妙にリアルで現実かもしれないと淡く期待してしまった



………夢の中私に甘く溶けてしまいそうに口付けた彼を思い出して胸がぎゅっと痛い


今すぐに会いたい……会いたくて堪らない………


夢が見せた久々の彼の姿に日々誤魔化している寂しさが込み上げて涙が溜まり視界が歪んで行く




彼は無事だろうか


彼は今何をしているんだろう


彼は本当に私を迎えに来てくれるのだろうか




連絡も取れず何の状況も解らない不安は次々に溢れ出して

仕方の無い事だと頭で解っていても彼を想う気持ちは涙と成ってポロポロと頬を伝った



……………………早く会いたい






「沙夜子………大丈夫、ボクが傍にいるよ♠️」



ぼやける視界の先、優しい声色で言ったヒソカさんに宥められながらも


心の中で繰り返し繰り返し呼び掛けては返らない返事に募る切なさは途方も無く、只彼恋しさに涙は溢れ続けた





…………イルミさん今何処にいますか?早く会いたいです…………





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