ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第22章 奇術師と夜
……私は運が良かったに過ぎない………
彼に会いに行くには自身の想像もしていなかったリスクが付いて回っていた事を知らされた今怖くて仕方が無くなった
「………無論、ボクに着いて来ているっていうのも危険だとは思うケド♥️」
「えっ!」
驚いてヒソカさんの顔を見遣ればヒソカさんはまた笑った
「………冗談だよ………顔にイルミと会わせてって書いていたから助けてあげようと思って♥️」
顔に書いていたと言われる程露骨にヒソカさんを彼と会うための手段として選択しただろうか……
いや、そうに決まっている
ヒソカさんが帰ると言ったなら私は迷わずすがり付いただろう
しかし其れが本人に伝わっていたのなら不愉快に違い無い
「すみません……でもそれは思いました……ヒソカさんやったらイルミさんと連絡取れるやろうし……って」
私を助けてくれたヒソカさんの行動に対して利用する様な事を考えていた自身の思考が後ろめたく思えて俯くと髪を掻き乱す様にくしゃくしゃと頭を撫でられた
「良いんだよ、沙夜子ちゃんとボクの仲じゃない♥️」
…………どんな仲だろう………とは思ったがヒソカさんの何処か柔らかな表情に心苦しさは幾分か軽く成った
「じゃあ本題、ボクはイルミに連絡するから沙夜子はシャワーでも浴びて来ると良いよ♥️」
「………っ……はい!!ありがとうございます!!!」
…………遂に…………遂に彼と会える………
私は瞬間に何もかも忘れるくらい舞い上がった
深々とお辞儀してバスルームへ向う
久々の入浴も単純に嬉しくて2日間で焼けた肌にお湯が染みたが鼻歌を歌いながら上機嫌で入浴した