ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第121章 熱い唇と彼の姿
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翌日
緩やかに覚醒した意識で瞼を開けば新しい朝が始まっていた
私はどうやら昨日の朝からずっと眠っていたらしい
…………熱クラゲ…………侮るべからず………
夢と現実の曖昧な境界に見た彼の姿を思い出し視線を漂わせた先で私は思いもよらない場所にヒソカさんの姿を見付けた
キングサイズよりも大きなベッド
私の隣で規則正しく静かな寝息を立てる姿に驚いて動きが静止する
長い睫毛を伏せて緩く開かれた唇、見た事の無かった無防備な表情から本当に眠っているのだと解った
小窓から差し込む朝日に照らされて小さな寝息を立てるヒソカさんはやはりその出で立ちから何処か妖艶ながらとても新鮮に感じた
私を保護した後、ヒソカさんは私よりも遅く就寝し、私が起きる頃には既に起きている
故に寝顔を見せる事なんて一度も無かったのだ
上体を起こすと額から落ちたタオル
ベッドの傍には食卓から運ばれたテーブルと揃いの椅子があり
昨日私を看病してくれていたのだと理解する
………………何故同じベッドに…………
とは思ったけれど、きっと本当に心配してくれていたから……とか、看病による疲労で間違えて……なんていう何等かの理由が存在するのだろうと思う
ヒソカさんは類を見ない変態だけれど、何の理由も無く同じベッドに安易に入って来る様な人では無いだろう……
良く眠っている様子に音を立てぬ様にそろそろとベッドから抜け出してキッチンに向かい、カラカラに乾いた喉に水を流し込んだ
昨日は自由の利かない身体に困惑したが全てが嘘だった様に元通りに動く身体に健康の有り難みを感じながらもチラリとベッドに視線を向ける
昨日の看病のみならず日頃から食事のお世話に成っているヒソカさんは未だ熟睡中……………
(…………よし、たまには私が朝御飯作ろう!!)