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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第120章 コバルトブルーとガウンの姿







………ヒソカさんには前科がある


この事は簡単に忘れられる筈も無く、和解し友人と成った後も私の中にずっと残っているものだった


平凡に生きてきた私が無理矢理に組み敷かれて肌に触れられる出来事等、当然あの時以外に無い


別に大袈裟にトラウマに成った、なんて事は無いし、日頃から付きまとう事なんて無い


しかしあの時傷付き、不信感と恐怖を感じた事や絶望した事はヒソカさんを見る度にチラリと脳裏に過るものだった


その事や大好きな彼がヒソカさんに難色を示す事も相まって私はどこかでヒソカさんに線を引いていた

そんなつもりは無くても、事実警戒心を滲ませてしまうのはそういう事だ

…………だけど今私はヒソカさんに身を委ねる事に躊躇が無くなっていた

「ボクがついてる」と言ったヒソカさんの言葉に裏があるかもしれない、なんて微塵も思わずに手を伸ばしたのだ

危険かもしれない、何かあるのかもしれないという疑心暗鬼が消えて、見えたのは信頼だった


幾度と命を救われた

私のピンチに颯爽と現れるヒソカさんは最早ヒーローの様で


彼が傍にいる安心感とは違うけれど確実に言える事はこの世界で彼以外に信頼出来る人物に成ったという事

ヒソカさんがいれば大丈夫と思っているという事



器用に顔を上げて前進するヒソカさんを眺めながら私の胸は綻んでいた



全ては私が感じる事で私の世界は変わって行く


私達はきっと今迄よりもずっと良い友人に成れる

しっかりとした信頼がある友人

もしかしたら親友に成れるかもしれない



「ヒソカさん!楽しいですね!」


「そうだね♥️」


私の声は青い空に弾み、ヒソカさんも何処か嬉しそうな声色で答えてくれた





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