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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第120章 コバルトブルーとガウンの姿






出来ればピンク色を捕まえたいなぁなんて狙いを定めながら懸命に腕を伸ばすもスイスイと避ける魚達

水の抵抗でのろまな私の手は見当違いに水を掴む


目の前でヒソカさんが捕まえて見せてくれた事で何故か自分にも出来る気がする!と思った私だが………現実は程遠く無様なものだった


最早ピンクなんて言わずに近い熱帯魚に片っ端から手を伸ばした私だが全く惜しい事も無く




「はぁっ!……………無理………」



挑戦一度目にしてリタイアを宣言した

網でも難しいのに普通に考えて私に出来る筈が無かった………


届きそうで届かない距離を泳ぐ姿にもどかしさを感じながらも飽きもせず眺めていると



「もっと凄い所見せてあげる♥️」


ヒソカさんは水が滴る前髪をかき上げながら妖艶に笑った



「もっと凄い所ですか?」


「うん、着いてきて♥️」


「はい!」


ワクワクと楽しさに胸が弾む

もっと凄い所とは一体どんな場所だろう

もしかしたら一面に広がる広大な珊瑚礁かもしれない……なんて想像しながらもヒソカさんに着いて行く





どうやらこのビーチは遠浅らしく岸部から離れた場所迄やって来てもまだまだ歩ける


時折「中を覗いてごらん♥️」と言ってはタコやウツボの巣を教えてくれるヒソカさんはまるで観光のガイドさんみたいで私は感心し続け夢中に成った


そんな事を繰り返してどれだけの時間が経ったのか随分と砂浜から遠くなり、水位が私の胸元迄やって来た時


「ボクの背中に掴まって♥️」


「え……?」


ヒソカさんは肩越しに振り返りながら背中を指差した

咄嗟に漏れた戸惑いの声にヒソカさんはクスリと笑うと


「この先は深くなるから危険だよ……ほら、ボクの背中に♥️」


明確な理由を述べた後に私の背丈に合わせて屈み込んだ


私は泳ぎに自信が無く、有難いのだがそんな深い場所に行くのかと思うと少し怖くなった


そんな私の様子を察したのか



「大丈夫、ボクがついてる♥️」



横顔にニッコリ笑顔を浮かべた友人の肩に私はそっと手を伸ばした


途端に私を背中に乗せたまま泳ぎ始めるヒソカさん


私はこの時初めて自身の心境の変化を感じた




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