ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第119章 ダイブとヒソカさん
私の顎を掬い上げた長い指に誘われ顔を上げた先、呼吸を感じる近距離に顔を寄せたヒソカさんに視線を絡められて張り付いた様に動けなく成った
「落ち着いたかい?♥️」
響く声色は優しいのに何故か悪戯な妖しさを含んだ切れ長な瞳
先程考えていた台詞を口にしようと間抜けに開いた唇からは何も出て来ず
「ずっと抱き付いていても良いんだよ?♥️」
何故か淫靡に囁かれた声
私の涙の跡を辿る様に頬を包んだあたたかい手
鼻と鼻が触れ合う程美しい顔が寸前に迫った時
「いやいや!!とんでもない!ご迷惑お掛けしました!本当!ありがとうございました!!!」
私は大声と共にヒソカさんの上から飛び退いていた
ヒソカさんはスキンシップの激しい人だし無意識なのだろうけど
生粋のジャパニーズの私には刺激的過ぎた………
美形な顔が目の前に迫れば誰だってドキッとするだろう
私は麗しのイルミさんに何度も目眩ましを食らっているので天に召される事は無かったが耐性の無い素人だったら間違いなく鼻血噴出死を遂げていたに違いない………
悠々と長い脚を組ながら妖艶な笑みを浮かべるヒソカさん
「名残惜しいけど仕方ないね……ボクのキスで慰めてあげようと思ったんだけど……♥️」
「い、いえ!すっかり元気なので!!」
「警戒しないでよ、キスは挨拶だよ?♥️」
「いえいえ、日本人には挨拶ではないので!!!」
「うーん、残念♥️」
「…………………あはは」
命の恩人
良き友人
優しい人
しかし、それだけで終わらないのがヒソカさんであった
「じゃあ、沙夜子がもっと元気に成れるディナーを作らないとね♥️」
「え!私も手伝います!何作るんですか?」
「沙夜子は休んでてよ、美味しいフレンチのフルコースをご馳走するから♥️」
「フルコース!!おぉ!!」
「クックックッ……♥️」