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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第119章 ダイブとヒソカさん



__________"





「気が付いたかい?♥️」



ゆるゆると意識が浮上して瞼を開くと私はヒソカさんにお姫様抱っこをされていた


「?!……っ………」




状況が把握出来ずに狼狽えたのは一瞬で崖ダイブからヒソカさんが救ってくれた事を思い出したからだ


……あんな経験は初めてだったけれど本当に走馬灯を見るのだとか

全くどうでも良い事が頭を過る中



「ありがとうございました」


意識しない所から漏れでた声は情けなく震えていた

目に見えて目前に迫った終わり

様々な後悔を残しながらも私は絶望の中を落下した

私一人だったなら確実に死んでいたのだ


思い出せば身体は恐怖に震え出し温もりに揺られ途方も無い安堵から涙がポタポタと落ちた


私は生きていたいと願った

今、呼吸をしている

今、生きている事実に涙が止まらなくなった



「あり"がと………う…っございまず……………」


ゆっくりと立ち止まったヒソカさんを見上げればぼやけた視界に優しい微笑みが映る



「ボクが守るって言ったでしょ♥️」


掛けられた言葉はあたたかく胸に染みて声が詰まり私は遂に嗚咽混じりの泣き声を上げてしまった


ヒソカさんがいなければ私は死んでいた………………


この人がいなければ私は……………

私は何度命を救われただろうか

全身を包む安堵から首筋に回した腕でぎゅっと抱き付く


………感謝してもし切れ無い………




「怖かったね、もう大丈夫だよ」



わんわんと声を上げて涙を流しながら繰り返し感謝を口にする私をヒソカさんは喉の奥で笑いながら隠れ家迄運んでくれた

私の涙にヒソカさんの首筋やTシャツの襟元は濡れてしまっていたけれどポンポンと私をあやし続ける大きな手を本当に心強く感じた




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