第119章 ダイブとヒソカさん

「クックックッ……沙夜子は本当に可愛い子だね♥️」


握っていた手の力からか、はたまた歩くスピードの変化からか私の心情の変化に気付いたらしいヒソカさんに謎のタイミングでお世辞を頂きながらも

少し湿気を含んだ空気が漂い特有の香りが鼻を掠め
途端に開いた視界に歓声を上げた



「わぁ！！凄いですね！！！」



私達の目の前に表れたのは立派な洞窟温泉だった


天井に開いた穴からは真っ青な空が覗き、そこから滝が流れ落ちていた

反響する音の正体は水を打つ音だったのだ

差し込む陽の光が水面を照らしキラキラと輝き幻想的な空間を作り出していて圧巻の光景を前に立ち尽くす私に


「100点満点のリアクションだね♥️」


「綺麗………！」


「綺麗なだけじゃなくて深さも温度も問題無い天然温泉だよ、ボクで実証済み♥️」


なんてウインクをした


しゃがんで温泉に手を伸ばせば程好く滑らかな源泉が肌を濡らす


「沙夜子が好きな時に使えば良いよ♥️」


「え！良いんですか？！」


「勿論♥️」


大自然の雄大さを残しながらも漂う静けさから神秘的な雰囲気を醸し出す天然温泉


こんなに綺麗な温泉に入れるだなんて凄い贅沢だ………！



感激して辺りを夢中で見渡す私にヒソカさんはニコニコしながら付き合ってくれた