第21章 見付けた鍵と夜の街

店を出れば賑わう繁華街は夜の活気に溢れていた


そう言えばヒソカさんの格好は私の世界では一度も見た事の無いトランプの柄の入ったザ、ヒソカさんといった格好で私は染々ヒソカさんと会えたのだな、とそのスラリと高い長身を見上げる


見上げた先のヒソカさんはもっと天高く夜空を仰ぎ見ていて突然訪れた沈黙にソワソワと身体を揺らす


今更気付く事ばかりだがそもそも私はあまりヒソカさんと話した経験が無い

しかも二人きりは彼に禁止されていた為に何だか変な気分だなんて考えていると



「ボクが今泊まってるホテル近くなんだけど……其所でも良いかい？店だと色々配慮しなくちゃだし♦️」



なんてとんでもなく危険な香りがしそうなお誘いを受けた


以前の私なら即答でNOである

背中を押してでも別の店に入っただろう






………………だが折角見付けた彼へ繋がる人物
私はここでヒソカさんを逃す訳には行かない


「はい！」



私の目を真っ直ぐに見詰めたヒソカさんはまた喉の奥で笑った



「じゃあ行こうか♥️」


「はい！」



並んで歩き出した私達


ヒソカさんは以前よりも良く笑う様になっていた



「ヒソカさんって良く笑う人やったんですね！知りませんでした！」


「沙夜子が面白い子だからだよ♥️」



私の言葉にまたニッコリ微笑んだヒソカさんに私は笑みを返した