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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第118章 ブルーフラッシュ




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17:32



私達は砂浜にいる


何も無い無人島の砂浜は白くきめ細やかで指の隙間からサラサラと落ちた

ヒソカさんと二人並んで砂浜に座り込み、一体何をしているのかと言うと太陽が落ちるのを待っているのだ




「もうすぐですね!」


「うん♥️」



テレビも何もない無人島だからこそ時はゆっくりと流れ自然現象に目を向ける一時

豊かな自然に囲まれた島で私とヒソカさんは二人きりなのだと思えば不思議な気分に成った


只波の音に耳を傾けて海風が頬を撫でる

見上げれば何処までも広大な空に茜色に染まった雲が流れていた

温暖な気候に汗ばむ昼を過ぎた時、ヒソカさんは私にこんな話をした



その昔身分違いの恋をした恋人達が駆け落ちした後に行き着いたのがこの島で、後に二人はハッピーエンドを迎えたのだが

其れ以降、夕陽の沈む一瞬にこの島で見られる自然現象を恋人同士で見ると永遠に結ばれるという伝説が生まれたそうだ

ヒソカさんの話した内容はひっそりと語り継がれているという言い伝えだった


そして伝説にある自然現象というのは
この島は特殊な立地に存在し、年中温暖故に大気が歪んでいるそうだ
其れが要因で見えるブルーフラッシュという現象

そのタイミングは夕陽が沈む一瞬でクリアブルーの海面に消える太陽が見せる輝きは真っ青な美しい光と成るらしい



その話をした後にヒソカさんは一緒に見ないかと私を誘った

所謂恋愛成就の意味を持つ伝説があるブルーフラッシュを何故私と……?という疑問が一瞬脳裏を過ぎたものの



「沙夜子ちゃんと見られると嬉しいんだケド……♥️」



なんて毒気無く言われて私は快く頷いた

ヒソカさんは恋愛成就というより其の美しさを共有したいという純粋な気持ちなのだろう

何も無い無人島に二人きりでいて友人を誘わないのも不自然な話だ

そもそもヒソカさんにとって私は恋愛対象では無いし気にする事でも無い

何の予定も勿論無く、取りだって断る理由も見当たらず私はその時を待っていた





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