ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第118章 ブルーフラッシュ
03月04日
出来上がった昼食を前に拍手を贈る
テーブルに並ぶのはロブスターのグラタン、牛フィレのロティ、彩り迄美しいマリネにオムレツと高級フレンチレストランの様な品々が並んでいた
私はこの場所に来てから毎日三食ヒソカさんの振る舞ってくれる手料理をご馳走に成っている訳だが
一緒にキッチンに立ちメモを片手に勉強させて貰う程に胃袋を掴まれている…………
女性として多少の敗北感は否めないがフレンチを容易く作る姿は最早プロで変な対抗意識は遠の昔に消えてしまった
「ヒソカさんはほんまに何でも出来るんですね!凄いです!」
「ンフフ……♥️喜んで貰えてボクも嬉しいよ。さ、食べよう」
「はい!!いただきます!!」
目にも美味しそうな料理は口に運べば本格的に美味しい
自然と漏れだす幸福の溜息
……………美味しいって幸せだ………
昨日はカキン国の中華風料理をサラリと作ったヒソカさん
全てが手品の様に鮮やかで料理姿迄芸術性が高い気がするのは私の気のせいでは無いだろう
「美味しい!ほんまに美味しいです!」
「ありがとう♥️」
この人に作れない料理等無いのでは……?なんて思い始めている私だが
流石にこのままでは不味いとは思っている
作ってもらって食べるだけの私
洗い物をかって出ても「また今度お願い♥️」なんて笑顔ではぐらかされてしまい実質何も出来ていない現状
大満足でお皿を空にした私は堂々たる宣言をした
「夕飯は私に任せてください!!」
料理はヒソカさん程では無いけれど出来るのだ
少しくらい恩返しをしたい
そんな気持ちで言い切った私に
「………そう?じゃあお言葉に甘えてみようかな……沙夜子ちゃんの手料理食べたいし♥️」
あっさりと料理権を手渡してくれた
私の熱いパッションが届いたのかもしれない
私は是が非でも料理がしたいのだ
勿論前提としてヒソカさんへ少しでも恩返ししたいというのが主な動機なのだが
キッチンに立つヒソカさんの姿を見ていて思った事がある
………………料理の出来る人って恐ろしく格好いい、だ。