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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第117章 似顔絵から見える事






そして


小窓から差し込む朝日の中で優しい微笑みを浮かべたヒソカさんは普段の妖しい毒々しさを何処へ消したのか恐ろしい程に淡い美しさを湛えたのだ



普段との違いが織り成す威力と無垢を思わせる美貌に見惚れてしまったのは限り無く不可抗力に近く、友人であるヒソカさんの知らなかった新たな一面を目の当たりにしたからだった



ヒソカさんは良く口元は笑っていても目元が笑っていない事がある

彼とは違い良く笑顔を見せるヒソカさんだからこそ感じる違和感


しかし友人として接する内に本当に楽しそうに笑う事もあるのだと知り、今朝はヒソカさん特有の妖艶さすらも爽やかに見えてしまう穏やかな笑顔を知った


私はまた友人の素顔を知れたのだと思えば純粋に嬉しい気持ちに成る



………多少ドキリとしたけれど基本的なビジュアルがずば抜けて良いので見惚れてしまうのは致し方無い生理現象として

彼への気持ちは誓って揺らぎ無いと心の中で宣言しておく

私の愛と恋心は彼宛てのもの以外に存在しない。


只友人が常人では出し得ない美貌と色香の持ち主なので多少のドキリくらいは目を瞑って欲しい………なんて彼に届くはずが無いのにヤキモチ妬きな彼を想って心臓がぎゅっとした




……………………早く会いたい……………




「沙夜子ちゃんは素敵な癖毛だね♥️」



ヒソカさんの長い人差し指が毛先を遊ばせている今を彼が見たら怒るのだろうか………


………機嫌が良い事は無いだろうなぁ…………なんて……



「………ありがとうございます……」



気が付けば折角のお世辞にぼんやり生返事を返してしまった事に慌てて顔を上げれば

美味しそうなコーンクリームスープがテーブルで湯気を上げているのが見えて途端に私のお腹は盛大な音を鳴らした




「……………ックスクス♥️」




瞬間、笑い声を抑え切れずに顔を伏せたヒソカさんを前に羞恥が込み上げる




乙女にあるまじき地響きの様な腹の虫



「お、お腹すいたぁー!!!」



私は気恥ずかしさを払拭する様に言いながら寝起きのトップスピードでベッドから飛び出した



「沢山食べてね♥️」


「はいッ!!!」




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