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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第116章 真実と嘘



窓から見える海は陽の光に照されて鮮やかに輝いていて
彼と見られたなら……なんて過った思考に瞼を伏せた時


静かな室内にヒソカさんの声が響く


「……ねぇ沙夜子ちゃん、その指輪外しておいた方が良いよ」

「………え、」


言葉の意図が理解出来ずに戸惑いの色が滲み出る私にヒソカさんは少し眉を下げて困った様に笑った


「キミも狙われてるんだから少しでもイルミとの繋がりを隠しておかなくちゃ♦️」

「…………で、でもペアリングでは無いですよ………?」


「相手がどの様な情報を掴んでいるのか解らないんだからペアじゃなくても危険かも……ってアドバイスだよ、出来ればアクセサリー類は全部外しておくのがベストかな♥️」


ニッコリ笑ったヒソカさんは柔らかな口調ながら何処か重たく言った

様々な相手と死闘を繰り返して来たに違いない人物
私よりも彼に近く血塗られた道を歩く人の圧なのか言葉の端々に経験値を感じさせる言葉に私は開きかけた唇を閉ざしていた


その道の経験を積んで来た人のアドバイス………素直に聞いている方が懸命だと判断したのだ


彼に贈られたその日から肌身離さずに付けていたネックレス、アンクレット、そして指輪を取り払う



そんな事は無いのだけど何と無く彼の愛が遠ざかってしまう気がして心細い今、肌から離すのは本当に嫌だった

子供染みていると思われてしまうかもしれないが泣きそうなくらいに心底嫌だった

……だけど、私が我が儘を言ってアクセサリーを付けていた事で大切で大好きな彼や頼もしい友人が危険に晒されてしまったなら私は後悔してもし切れ無いだろう

その可能性があるのだとヒソカさんが言うのなら私は従う他無い


大切な大切な指輪にネックレス

私は元の世界から持って来たポシェットの中に大事に仕舞った


「……アドバイスありがとうございます!」


そんな私をじっと眺めていたヒソカさんに向き直り頭を下げる

私は今この時またひとつヒソカさんに助けられたのかもしれないと思っての事

そんな私の行動に僅かに目を見開いた後にヒソカさんは何故か楽しそうに笑った


「沙夜子は素直ないい子だね♥️」


「イルミさんには単細胞と言われます」


「うん、凄く解るよ♥️」


「………………えー」


こんな具合で私とヒソカさんの仮同居生活はスタートした
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