ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第115章 渦巻き始める時
___________"
「ねぇ沙夜子、いつまでそうしてるつもり?♥️」
「………えー………だって連絡したいです………」
「仕方ないじゃない、此所……電波無いんだもん♥️」
「……………」
「………平気だよ、何度も言ったでしょ?イルミに頼まれてキミを保護してるんだよ?♥️」
「……………」
「……信じられない?♦️」
「……………いえ………」
「うん、いい子だね♥️じゃあ朝食にしようか」
私は3日前突然現れたヒソカさんに保護された
ペントハウスに気配も無く現れたヒソカさんはニッコリ笑うと言ったのだ
「こんにちは、沙夜子。突然だけど此所を離れなくちゃいけない……色々あってイルミに沙夜子ちゃんの保護を頼まれてね♥️」
聞けば賞金稼ぎに私達の居場所を悟られたらしく私の安全を確保する為だと言われた
彼の不在に白羽の矢が立ったのはヒソカさんで既に危機は迫っているのだと矢継ぎ早に説明を受けた
正直突然の事で混乱し、直ぐに信じる事も出来なかった
私は彼に外出も、はたまた友人であるヒソカさんとの接触も許されていなかったのだ
普段毛嫌いするヒソカさんを彼がわざわざ私に接触させるだろうかとも考えた
「イルミさんに確認出来てからじゃないと私は動けません!」
しかし鳴り響いた銃声と派手に割れた窓
「沙夜子ちゃん、迷ってる暇は無い、最低限の荷物を纏めて逃げるんだ。キミに怪我なんてさせたらボクがイルミに叱られる♦️」
有無を言わさぬ緊迫した空気感に信憑性を増す言葉
混乱した頭の中で未だ付かぬ判断もそのままに私はヒソカさんと部屋を出た
その際目を閉じている様に言われて伏せた瞼の端に倒れている人の影と赤を見た
この時に成って初めて震え出した身体
危機は本当に迫っていたのだと思った