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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第114章 ダァさん




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彼女が手懐けた鳥を見た時は驚いた



彼女が手懐けていたのは人食い鳥で有名な野鳥

擬態した姿からは想像出来ないだろうが本来4mを越えるその鳥は人間を丸飲みにする


餌だと渡されたナッツなんてこの鳥にしてみれば腹の足しにも成らず彼女に付け入り補食するのが目的だろう


この鳥に目を付けられた場合の対処はひとつ、駆除業者を雇う事



……………しかしよく補食されずにいたものだ………


彼女は馬鹿だが運だけは良い





俺に向かってニコニコ笑う彼女が鳥に背中を向けた途端、顔の擬態を解いて大口を開くのをこの数分間で何度見ただろう

鳥の嘴は彼女の体長を悠に越し、肉を切り裂く牙が所狭しと並んでいる

完璧に彼女を補食する気らしい……




殺気を飛ばせば足早に逃げて行く鳥





俺は早急に奴を仕留める事にした


動物が好きな彼女


目の前で殺ってしまってはショックもデカいだろうとの心遣いで一度は見逃したが



「目を付ける女を間違えたな、ダァさん。」



森の中で首を跳ねて踏み潰した


死体をそのまま放置した場合、仲間が嗅ぎ付けて集まると知っていたので取り敢えず食べる事にする






「今夜は俺が夕飯作るから沙夜子はキッチン出入り禁止ね。」



彼女はかなりの抵抗を見せた


………悟られたか……いや、其れは無いだろう……。




少しでも心的ショックを避ける為、対策として動物番組を見せておく事にした


動物番組と言っても彼女の好む趣向の物とは違い、肉食獣が草食動物を補食するものだ


この世の中は弱肉強食


ダァさんと名付けられた鳥は自身よりも弱かったが為に弱肉強食の世界で敗れ、これから食卓に並ぶ




「……虎からしっかり学ぶと良いよ、沙夜子。」




数十分後彼女が失神するだなんて思ってもいなかった






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