第21章 見付けた鍵と夜の街

オジサンが並び立った私達を眺めながら訊ねるので首が取れそうなくらいに頷いた




「奇妙な知り合いかな、ね、沙夜子ちゃん♥️」


ニッコリ笑ったヒソカさんに肩を抱き寄せられて妙に緊張する


「久しぶりだね、まさかこんな所でまた君に会うなんて思っても見なかったよ♦️」


「………はい、私もです……私今………会えて嬉しいです！！！！もうめちゃめちゃ嬉しいです！！！！」


なんて返した私は歓喜の余り嬉々としてヒソカさんの手を強く握り締めてブンブン振ってしまっていたのだが


「随分泥んこだね……泥遊びでもしたのかな？♥️」


私の身長に合わせて屈み込んだヒソカさんの切れ長で美しい瞳に捕らえられて即座に手を離した


「………ち、違います！山越えて来て……途中野宿したから………」


私の言葉に僅かに瞳を見開いたヒソカさんはまた喉の奥でクツクツと笑った後に衝撃的な言葉を発した


「あそこの山は野生のキツネグマの生息地で徒歩での入山は禁止な筈なんだケド………良く無事だったね♥️」


キツネグマ…………此方に来る前にHUNTER×HUNTERの漫画を最初から読み漁った為にその存在は記憶に新しい

ヒグマより大きな身体と尖った耳等キツネの様な顔を持つ野生動物だ

縄張りに入った者は殺してしまう程獰猛で決して人に慣れない………



………………そんな危険な森の中を私は歩いていたのか……………



……………………生きてて良かったああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！