第21章 見付けた鍵と夜の街

カウンター越しに置かれたテレビから流れるクイズ番組を見遣りながらこの人達が芸能人かぁ……なんてぼんやり考えつつも


この店が彼とどう関係しているのかという方へ思考は巡る


店内は特段変わった所も無くやはりマスターが一番の鍵と成りそうだがどう切り出すべきか大いに悩んだ


イルミ=ゾルディックと名を出したとして、もし彼の事を密に知る人物だったならば相当危険人物という事に成る


仮にも先生の助言したバーなのだから身に危険は無かったとしても
どうして会いたいのかと理由を聞かれたとして「好きだから」なんて答えですんなり彼の居場所を教えてくれるだろうか………


視線をテレビに向けたまま考え込んでどれくらいの時間が経ったのか


店の奥にある従業員用らしい扉から物音がして何気無く視線を向けた先



思いもしなかった人物の登場に驚きの余り飲もうとしていた酒を自身の胸元に浴びせたまま固まってしまった


私の視線の先の人物も驚いた様に僅かに動きを停止させた

最初こそクツクツと笑い声を殺していたが終いには声を上げて笑い出す姿に私はアルコールも拭わずに駆け寄った




彼へと繋がる鍵を、人物を見付けた………！！！！






「知り合い？」