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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第114章 ダァさん






2月のある日




私達はあのホテルを後にした


約1ヶ月程の滞在との所を大幅にオーバーしたパドキア中部での生活

勿論全ては彼の仕事の都合で左右され、先の予定に入っている中部での仕事を繰り越してこなした事で予定より滞在期間が延びたらしい

しかしながら多少の宿泊日数の誤差より移動時間の削減が出来て効率は上がっていると彼は話した


今までで一番長く滞在した事で随分と過ごし易く成った部屋との別れは少し切なかったが全ては彼と共に行動する為……




私は新たなホテルでの生活を満喫していた



私達の新たな拠点は山近くの街だった

観光で賑わった雰囲気の街は活気に溢れ
私達の宿泊するホテルは特に人気なのか大勢の宿泊客がいた


自然と隣接した立地に広大な土地の中、バンガロータイプの孤立した部屋が連なる大型施設

彼はその内一際大きなペントハウスを貸し切り、辺りの部屋は軒並みボディーガードに占拠させた

きっとペントハウスが一番奥張った所に建っていて他人との無駄な接触を避けられる事も考慮されているのだろう

彼は本当に過保護な迄の心配性だ

勿論異世界故、彼の職業故に厳重に保護されて初めて確立する安全な暮らしなのだろうけど……




大きなバルコニーから日の光が差し込んでまだ冬の色をした木々が凍える様に揺れる


私はその風景を眺めながらワクワクと胸を弾ませていた



「…………来た!」



真っ黒の身体、首元だけ白い羽の鳥がバルコニーの手摺に止まってアヒルの様な鳴き声を響かせる


私は其れを合図にコートを羽織り嬉々としてガラス戸を開いた


「お腹空いたのダァさん、ほらご飯やで!」



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