ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第113章 チョコレートとチューリップ
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私がご機嫌でチューリップを花瓶に活けて何処に飾ろうかと部屋を徘徊する頃
彼はコーヒーのお代わりにキッチンへ立っていて
「…………ねぇ沙夜子」
普段より少し低い声に花瓶越しに彼へ視線を向ければ彼は冷蔵庫の中を覗いていた
「このチョコレートは何。」
彼の言うチョコレートとは所謂友チョコというやつだ
彼への本命チョコレート作りで余った物は破棄するには勿体なく食べてしまうには多かった
ホイップクリームも余っていたしトリュフチョコレートを作りクロロさんとヒソカさんへ会えたら渡そう程度に考えて用意したのだ
私は其れを包み隠さず話した
友チョコという文化、そしてその経緯
変に誤魔化しても拗れてしまっては遅いし彼への本命チョコとの歴然の差を前に怒られる事も無いだろうと考えての事だった
「ふーん。」
全てを聞き終えた彼は納得した様なしていない様な声を残すとソファーに戻って行った
緊張していた訳でもやましい訳でも無いけれどホッと胸を撫で下ろす
彼が不機嫌に成らなくて良かったと安堵したのだ
せっかく甘い時間を二人で過ごせているのだし、まだまだ喜びに浸っていたい