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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第113章 チョコレートとチューリップ







「え、私天才じゃないですか?やっぱり隠し味が効いてるんですかね!」


「……………。」


「隠し味………何やと思います……?」


「……………。」


「…………隠し味はあ・い・じょ・う♪なんてね!」


「沙夜子ってどうしてそんなに馬鹿なの?」



彼は私に冷ややかな視線を向けているけれどフォークを止める事は無くて私の気持ちをしっかりと食べてくれた



あの日のリベンジは大成功!!



綺麗に成ったプレートと彼のごちそうさまを聞き届けた私は大満足だ



そんな私を見上げた彼は淡々と言葉を漏らした



「バレンタインだったんだね」


「え?」


「赤と黒の箱、チョコレートだった。」


「………………っはい」



彼が言ったのはアパートで彼への想いを託したチョコレート

あの日サンタが来たと言った彼

私の想いが時を越えて彼へ届いた瞬間だった



ゆっくりと確かに頷いた私の視界に花が咲く



「こっちの世界でバレンタインは男が花を贈る日だよ」



彼が差し出した花束だった


驚きの余り暫く固まり、おずおずと受け取ったチューリップの花


そんな事知らなかった


まさかこんなサプライズが待っていたなんて…………



「花言葉は愛の告白、真実の愛……らしく無いけど一応ね。」



真っ赤なチューリップに染まる頬、喜びで潤む瞳


らしく無いなんて言いながらも照れる素振りも無くさらりと言った彼


「めっちゃ嬉しいです………ありがとうございます……」


くちゃくちゃの顔で浮かべた笑顔に彼は柔らかく微笑んだ





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