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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第113章 チョコレートとチューリップ



_________"





「んふふ…………どうぞ」



「何これ。」


「フォンダンショコラです!名付けてラブファンタジーフォンダンショコラ」


「……………。」


彼の前にプレートを出して言えば彼は訳が解らないという顔をした

そもそもバレンタインの風習が無いのだから当然だ私が説明しない事には話が進まない



「えっと………バレンタインです!」


「………バレンタイン?」



僅かに眉を潜めた彼


「………日本にはバレンタインという風習がありまして、その……す、好きな人にチョコレートを贈る日なんです」


私が彼に莫大な好意を抱いているなんて百も承知だろうし今更驚く事も無いだろうが改めて貴方が好きなのだと形で伝えるのは照れくさいものだった


ほんのり熱を持った頬


彼は間の抜けた声で「ふーん」と呟くとフォークを持ち上げた


「いただきます。」


「はい、召し上がれ……」



上品な仕草で口に運ばれるフォンダンショコラ

ドキドキしながら反応を待っていると



「沙夜子が作ったの?」


「はい!」


「美味しい。」


「ありがとうございます!」



彼は単調な声を漏らしながら穏やかな表情を浮かべた


実の所お菓子作りはあまり得意では無く自信が無かったのだが彼に誉められて素直に嬉しい



「ほら、あーん。」



何気無く細められた瞳が私を見据えて緩く唇を開けば妖艶な色を漂わせる彼が私にフォークを差し出していた

フォークにはフォンダンショコラとホイップクリームに苺

彼は私にも食べさせてくれようとしているだけなのだが途端に垣間見る色に鼓動は騒ぎ

間接キスにさえ羞恥を覚える中私は口を開いた



瞬間、広がる甘味と苺の程好い酸味に目を見開く



「………うっま!!!」



私の想像を越えた完璧な味に私は痺れる程感動した



「やばいどうしよう!私パティシエに成れるかも!!」


「馬鹿じゃないの。」



この味を出せるのはひとえに彼への愛がなせる技…………!!!



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