ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第113章 チョコレートとチューリップ
蓋を開ければ全く違っている
関西の下町、実家の傍どころか私は異世界にいて
賃貸どころかホテルに住んでいて
彼は優しく面白い人だけど異世界人の暗殺者だった………なんて人生とは全く解らないものだ
彼との事を父や母に話したい
母は笑うだろうか、父は驚くだろうか
…………けれどその時私達はどうなっているのだろう
ぎゅっと痛む胸
二人きり愛を誓っても変わらない未来からそっと視線を逸らす
………今私は幸せなのだから
浮かない顔をした自分と見詰め合って気付いた事がある
髪の艶や肌の艶がここ最近とても良い
髪は相変わらず天然パーマだし彼の足元にも及ばないけれど艶っぽい
肌もキメが整った様に輝いていて私は思わずニヤけてしまった
「やっぱり愛って女を綺麗にするんかしら……」
「そうなの?」
「っ!!!!イルミさん!」
ガバリと振り返った先、彼は呆れ顔で小さく「ただいま」と言った