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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第113章 チョコレートとチューリップ







メイドさんに頼んで用意してもらったチョコレートで私はフォンダンショコラを作った


愛情たっぷりに作ったお陰か不器用な私にしては見栄えも良く

シュガーパウダーとホイップクリーム、そして苺を添えたプレートはレストランのデザートだと言ってもバレないクオリティーだと思っている


そして今回は堂々と何の躊躇いも無く彼に食べて貰えるのだ



何せ私達は恋人…………いや、………夫婦なのだからッ!!!!!





「うふへへふっ………うひひひひっ………沙夜子=ゾルディック…………きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」




端から見れば私はとんでも無く気持ちが悪いだろう


しかしその実態は新婚の新妻ッ!!


少々……本当に少々浮かれていても可愛いらしいと思う事にして



「………はぁ……旦那様……早く帰って来てぇ~…………」



私は何度目かも解らない怒涛の幸福に溺れていた


ナチュラルに決めたメイク、可愛い部屋着に身を包んだ自身が鏡の中幸せに頬を緩めている


心無し以前よりも自分の姿が可愛らしく見える気がするのも幸せフィルターのお陰だろう


「女は愛されてなんぼやで……」


なんて一人自惚れながらまじまじと鏡を見る



………こんな平凡な私が彼の奥さん…………


不思議な気分だ


私は関西の下町に生まれ仲睦まじくも賑やかな家庭にて愛情を注がれ平和に育った

好奇心から始めた独り暮らしに意味は無くて只変わり無い日々を生きて行くのだと思っていた


私もいつかは誰かを愛し、愛されて父と母の様に時に喧嘩をして、だけど仲の良い素敵な夫婦に成る日が来て

住むなら実家の傍が良いなぁ

家は賃貸だって良いからマンションに住みたいなぁ……なんて


きっと旦那さんに成る人は優しくて面白い人で私は変わらず

いつの日か関西の下町に新しい家族が誕生するのだと………そう思っていた





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