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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第21章 見付けた鍵と夜の街






慣れないメニューから選んだのはパスタ

見たことも無いクリームを使うみたいだがとにかくコッテリした物が食べたかった

そして勿論お酒を頼んだ


今の今まで感じていなかった空腹にお腹が音を経てる




見渡せば店内は小ぢんまりとした木目調で落ち着いた雰囲気が漂い
カウンター席とテーブルが2つだけと想像より随分安心感のある店で、店内にお客さんは私一人だった


……彼への手掛かりが有る筈だ………


懸命に店内を見渡す私にオジサンはお酒を並々注いだグラスをカウンターテーブル越しに手渡した


「旅の人?」


そんな事をリアルに聞かれるなんて思っても見なかったが実際私は旅の人みたいなものなので頷けば


「何か目的でも?」


ニッコリ目尻の皺を深めて問われた


目的はありまくっている

大好きな彼に会う為に次元迄越えて来た

しかし馬鹿正直に話せば頭がおかしいと思われてしまうので


「大好きな人を探してるんです!」

と答えた後にグラスに口を付けて私はうなり声を上げてしまった



「~~っうま!!!」


連日の太陽光を浴びてすっかり乾いた身体に染み渡るアルコールに生き返った気持ちだった


ごくごく喉を鳴らして一気に飲み干せば笑ったオジサンにお代わりを注がれて少々恥ずかしくなった


アルコール好きとしてはやはり異世界でもお酒を嗜みたいと思っていたがお口に合うのか不安だったのだ

しかし思いの外お口に合いまくるお酒に至福の溜息を吐く

掌の文字は滲んで消えかかっているが文字が消える迄にバーを見付けるという目標は達成したのだ


身体中を駆け巡る達成感にこっそり祝杯を上げていると目の前に運ばれて来たパスタの香りに腹の虫が鳴る


「いただきます!!!」


一口含むと濃厚なクリームの風味の中にスパイシーさがあり何の味かはさっぱり解らないがとにかく美味しくて

私はオジサンも驚く程がつがつ掻き込みあっという間に皿を空にしてしまった


涼しい冷房は陽に焼けた肌を冷やして心地好く折角なのでもう少しお酒を楽しんでから彼への手掛かりを探す事にした

手当たり次第に頼んだお酒はどれも美味しくてオジサンオススメのおつまみも何の肉かは解らないが絶品で更にアルコールが進んだ


此方の世界のアルコールは懸念とは裏腹にお口に合い過ぎて困るかもしれない…………




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