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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第113章 チョコレートとチューリップ






02月14日



私はとても機嫌が良い

と言うか幸せ過ぎて頭の中は毎日お花畑だ



薬指の指輪をなぞっては漏らす幸福の溜息



(…………選ばれたのは沙夜子でした………)



なんて脳内で綾○CM風にテロップが流れては歓喜乱舞してしまう




私は大好きで仕方がない彼からプロポーズされたのだ


彼は法で結ばれる事は無いので実質、事実婚という形に成ると説明した後私の様子を伺っていたが

いくら馬鹿な私でも変えられぬ事実くらいは理解していた


…………事実婚でも何でも良い


夫婦の証である形が何も無くてもその全てを踏まえた上で彼がくれたプロポーズの言葉は私の身体を強く優しく包んで笑顔にさせる


彼が私を選んでくれた事、私が彼にとって生涯最後の女性である事が嬉しくて幸せで仕方がない




"沙夜子の人生は俺が貰うから"



幾度と蘇る彼の台詞



「きゃーーーーー宜しくどうぞーーーーーーーーッ!!!!!」



クッションを抱き締めて床に転がりながらも私は彼の帰宅を待っていた





今日はバレンタインデー


一年に一度好きな人にチョコレートを贈る日

………まぁそんな風習は日本のお菓子メーカーの策略なので異世界には存在しないけれど私はどうしても彼にチョコレートを贈りたかった


彼がアパートにいた頃のバレンタインデーは散々だったと思い返す

あの日私は手作りを躊躇いちょっと良いチョコレートを購入した

そして渡すタイミングを見出だせず彼の枕元にそっと忍ばせたのだ



ドキドキと高鳴るピュアな乙女心



しかし彼は翌朝サンタが来た等と言いながらチョコレートを貪り、更には「まぁまぁ」なんて言った


風習が違うのだしそもそもバレンタインを知らない彼に甘い反応等期待出来ないだろう………と今は思うけれど


とにかく、私はあの日のリベンジに燃えていた




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