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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第112章 雨から雪に変わる時



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荒い呼吸が整った後も私達は暫く抱き締め合ったまま只互いの呼吸を感じ、素肌のぬくもりを確かめた

そうしてどれだけの時間私達が寄り添っていたのかは解らないけれど


気が付けば窓の外はうっすら明るんでいて私達は眠る事も忘れて他愛ないじゃれ合いと会話を繰り返した




「……蝋燭消えたね。」


「そうですね」



単調に言った彼はシーツの上に胡座をかくと遠く天井を見上げた


ぶるりと肩が震えて漸く外気の肌寒さを思い出す

彼が広げたシーツの内一枚を肩から羽織ったのは手近に衣服が無く寒さを凌ぐ他に彼に見られる事への羞恥も含んでいた


愛を重ねた後何も無かった様に普段に戻った彼に安堵しながらも向けた視線の先、窓の外を見て私は寒さの理由を知った


「………イルミさん見てください」


肩越しにシーツを抱き締めたまま窓に近寄れば外にはチラチラと雪が舞っていたのだ


薄く明るみを帯びた空は朝焼けを知らせて
フワリフワリと不規則に舞う雪は真新しい日を祝福する様に純白に輝いている


近寄った私の呼吸に白く曇った窓


そっと手を添えたその時だった



「……………え…………?」



私は自らの目を疑い瞬きを繰り返す事しか出来ず上手く言葉が出て来なかった






左手に輝く指輪





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