ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第110章 デパートショッピング
大好きな彼関連の物
……………興奮する…………
彼は先程から退屈そうに無言で立ち去りたい雰囲気を醸し出しているが私に立ち去る気など更々無いのだ
門をモチーフにした焼き菓子やキーホルダーを手に取れば
「………要らないでしょそんなの。」
気だるげな声が降ってきた
しかし私に其れ等を手放す気は無い
「何言ってるんですか!めっちゃ欲しい!あ!見てください!」
…………なんて素晴らしいコーナーだろう…………
私は今を本気で楽しんでいた
ゾルディックのグッズはすなわち彼のグッズ!!!!
完全にオタク魂に火が付いたのだ
結果、どのコーナーよりも長居して何度も何度も商品を吟味した
そして決して商品を戻さない私に痺れを切らした彼は沢山のゾルディック商品を購入してくれた
私の歓喜ぶりに店員さん達も気さくに話し掛けてくれて私の知らないゾルディックを知る事が出来た
ククルーマウンテン付近は所謂田舎町でゾルディック一家が其所にいるお陰で観光産業が賑わい町が潤っている事
賞金稼ぎの荒くれ者も沢山来るけれどゾルディック家のお膝元では乱暴な真似も出来ず安心なのだそうだ
治安も良く、町も潤う
従って近隣の町には多くの恩恵があり大勢のゾルディック家ファンが存在しているのだそう
私はそこで初めて腑に落ちた
何故暗殺一家が貴族として扱われているのか
普通ならば恐怖して当然なのに………なんて思っていたが
町の人はゾルディック一家を見たことは無いけれど害を与えられる所か町が助けられていると話したのだ
想像上で描かれた肖像画がポストカードに成っていたりユニークな商品に町民達の愛を感じた