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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第110章 デパートショッピング




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随分と見て回り、ジャポンコーナーでは沢山の物を購入してくれた

日本と酷似したジャポンの物を前にはしゃぐ私を見て
故郷の物と似た物を……と静かに気遣ってくれる彼は無表情ながら優しい人だと思った

そして、そんな素敵な気遣いが出来るなら店員さんにも優しく……なんて事は言えなかった………


そんな中、私達が最後に立ち寄ったのはパドキア共和国恐怖の一家ゾルディックコーナー

彼より先にその文字を見付けた私がハイテンションで報告すると彼は馬鹿にした様に鼻で笑った


彼のご実家が観光名所である事は知識としてあってもコーナーが設けられる程人気だとは思ってもみなかった


「見てみましょうよ!」


「…………。」


なんてワクワクと胸踊らせる私に無言で連れられる彼との温度差は凄いものだが、いつもの事なので気にせずに引っ張る


………ゾルディック………


愛する彼のファミリーネーム

これはもしかしたらグッズを買う感覚に近いかもしれない………!!


軽い足取りでやって来たコーナーにて彼を振り返る


「ゾルディッククッキーですって!」


「……………。」


クッキーのパッケージには何故か悪魔の絵がプリントされている


ゾルディック一家の写真は出回っておらず写真にも1枚につき何億もの賞金が掛けられているのだ

多分イメージで描かれたパッケージを前に彼は呆れた表情を浮かべた


「ふふふっ」


「……………。」



誰も知らないのだ

この場所に立っている容姿端麗な彼こそがイルミ=ゾルディックその人である事を

誰が彼を見て暗殺者だと思うだろう


………私だけが彼を知っている


そう思えば溢れるのはどうしようもない幸福感だった


「うわぁ!門ですよ!」


飾られている門の写真を写メで撮る

彼のご実家を訪問する事は叶わないので一生見れないと思っていたが写真として見る事が出来て感激だ

やはり絵で描かれた物よりもずっとリアルで本当に存在するのだと彼と一緒にいて何だが強く実感した

当の彼はと言えば先程から呆れた表情を崩さずに陳列された商品にチラリと視線を落としては蔑みの眼差しを向けている


馬鹿馬鹿しい、とでも聞こえてきそうな顔に笑顔を向けながらも私は色々な商品を物色する事にした





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